西表島アウトドア・アクティビティツアーの危険性
西表島の自然環境で行われるアウトドア・アクティビティツアーには、日常生活とは異なるさまざまなリスクが潜在しています。
リスクを回避するため、ガイドが気象状況や自然環境を的確に評価して判断することで、ゲストの皆様を安全にガイドします。
それでもなお、西表島の自然界にはさまざまなリスクが潜んでいることを理解した上でツアーにお申し込みください。
西表島で安全第一のツアーガイディング
PUMEHANA adventuresのガイドがゲストの皆様を西表島の大自然にご案内するとき、常に最優先で考えているのは皆様の安全のことです。もちろん美しい風景を堪能したり、楽しい時間を過ごしてもらうための努力は惜しみませんが、それでも安全が最優先。
ゲストの皆様の安全を確保するため、ガイドは常に安全に関するトレーニングを積み、ツアーにレスキューツールや通信機器、ファーストエイドキットを携帯しています。また、西表島の各種ツアー事業者や団体、行政機関などと連携をとり、安全情報を共有しています。
ツアーに参加されるゲストの皆様も、日常とは違う厳しい自然環境で活動していることを自覚し、常に安全第一の行動をとるよう心がけてください。
安全のためにゲストの皆様に西表島でツアー中に守っていただきたい7つのこと
- ツアー中はガイドによる安全に関する指示を理解し従ってください。
- ツアーには万全の体調で参加し、体調不良や負傷した場合は、速やかにガイドに申告してください。
- カヤックに乗艇する際や水中では、必ずライフジャケット(PFD)を着用してください。
- 適時水分を補給するなどして、熱中症を予防してください。
- 水場周辺は特に滑りやすいので、足元に注意してゆっくり歩いてください。
- 西表島には毒性の動植物が存在するので、むやみに動物・植物に手を触れないようにしてください。
- ツアー中は飲酒および喫煙ができません。
西表島ツアーでの運動強度の目安
PUMEHANA adventuresのツアーは、コースによって運動強度が異なります。各コース詳細ページに記載されている体力要求度および柔軟性・体幹要求度をご確認のうえお申し込みください。
- 体力要求度:距離や獲得標高などに応じて必要となる基礎体力の目安(5段階)★☆☆☆☆
- 柔軟性・体幹要求度:岩場をよじ登るなど、身体の可動性や筋力、柔軟性の目安(5段階)★☆☆☆☆
PUMEHANA adventuresでは、ジョギングやヨガなど有酸素運動による日常のトレーニングを推奨しています。
ツアー参加者のための傷害保険
ツアーに参加される方全員に、ツアー中の怪我などに備えて下記の傷害保険に加入して頂きます。
保険種別 : 国内旅行障害保険
保険会社 : 東京海上日動火災保険株式会社
保険料 : ツアー代金に含まれています
加入方法 : ツアー参加申込書への記入(ツアー当日)
保険期間 : ツアー当日(1日間)
死亡・後遺障害保険金額 : 10,000,000円
入院保険金日額 : 5,000円
通院保険金日額 : 2,000円
外的要因による怪我などが保険の対象で、内的要因による病気などは対象外です。
また、携行品(カメラやスマートフォンなど)の破損・水没・紛失なども補償できません。
西表島のアウトドアフィールドの環境
西表島でツアーが開催されるフィールドは、街や公園、テーマパークなどとは全く異なる完全な自然界であることを理解のうえツアーに参加してください。
さらに、西表島のフィールドは、登山ルートが整備されている富士山や高尾山などと違って自然そのままの環境です。山小屋・避難小屋・自動販売機・トイレ・安全柵・標識などは一切ありません。また、携帯電話の電波(5G/4G/3G)もほとんど入りません。
特に夏場(6月~9月)は高温多湿でトレッキング中は心臓にある程度の負荷がかかり、多量の汗をかきます。
また、フィールドに常設のトイレは一切なく、携帯トイレを利用しています。
西表島の救急搬送・医療体制の状況
西表島の救急搬送
西表島(竹富町)には消防局・消防署がありません。地域の消防や救急搬送は、地元の消防団及び民間救急サービスが担っています。消防団員は観光業や農業などの若者で構成されており、緊急時は仕事を中断して出動要請されます。
西表島の医療体制
西表島には県立診療所が2か所あります。東部地区(大原港側)の「大原診療所」と、西部地区(上原港側)の「西表西部診療所」です。
どちらの診療所も医師1名と看護師1名が常駐し、離島地域医療に懸命に取り組んでいます。しかし、近年は観光客の受診が増え、医療体制が逼迫してきているのが現状です。時間外診療を希望する場合は、119に連絡する必要があります。
石垣島への緊急ヘリ搬送
西表島の診療所では対応できない緊急患者が発生した場合、石垣島への緊急ヘリ搬送を要請します。西表島-石垣島の緊急ヘリ搬送は、海上保安庁が担っています。
西表島ツアーでの気象状況によるリスク
西表島の気象状況リスクの評価
前線通過に伴う集中豪雨や急激な強風、落雷など、自然環境のなかで気象状況が突然変化するリスクがあります。
また、集中豪雨によって川や滝が急激に増水し、激流が発生するリスクもあります。
西表島の気象状況リスクに対してガイドが実施する対策
ツアー出発前に気象情報を確認し、気象警報などが発令されている場合はツアーを中止します。 気象警報の発令が予想される場合も、安全を重視してツアーを中止することがあります。
ツアー中も気象情報を受信できる状態にし、空模様にも常に気を配ります。ツアー中に気象状況が大きく変動する場合は、ツアーを中断することがあります。
西表島の気象状況リスクに対してゲストの皆様に気をつけていただきたいこと
ガイドがツアー中止や中断の判断をした場合は従ってください。
西表島ツアーでの熱中症と日焼けのリスク
ツアー中の熱中症・日焼けリスクの評価
高温多湿の西表島でのアウトドア・アクティビティは、熱中症や過度の日焼けのリスクがあります。
ツアー中の熱中症・日焼けリスクに対してガイドが実施する対策
熱中症を予防するため、ツアー中は30分に1回程度の休憩をとってゲストの皆様に水分補給を促します。ガイドは予備の水を車に用意し、ゲストの皆様のボトルに補給可能です。
ガイドは熱中症に備えて、素早く水分を体内に吸収できるORS(経口補水液)を携帯しています。
過度の日焼けを予防するため、日差しが強い場所・時間帯ではゲストの皆様に帽子やサングラス、長袖・長ズボンを着用するよう促します。
ツアー中の熱中症・日焼けリスク に対してゲストの皆様に気をつけていただきたいこと
万全の体調でツアーにご参加ください。特にツアー前夜の過度の飲酒は脱水症状になりやすく、熱中症の原因となるので避けてください。
熱中症や脱水症状を予防するため、ツアー中は30分に1回程度水分を補給してください。また、失われた塩分も補給するようにしてください。
ツアー中にめまいや立ちくらみ、吐き気など体調の異変を感じたら直ちにガイドに申告してください。早期の対処で軽症に抑えることができます。
過度の日焼けを避けるため、帽子やサングラス、長袖・長ズボンを着用してください。
PUMEHANA adventuresでは、肌にも地球にも優しい沖縄発の100%ナチュラルUVクリーム「サンゴに優しい日焼け止め」を現地販売していますのでぜひご利用ください。
西表島の毒性植物・動物のリスク
西表島の毒性植物・動物リスクの評価
西表島のジャングルや水中には毒を持った植物や動物が数種類存在します。なかには命の危険に至る強い毒性の動植物も存在するので注意が必要です。
【西表島の代表的な毒性陸上動物】
サキシマハブ、イワサキカレハ(蛾)の幼虫、ムカデ、スズメバチなど
【 西表島の 代表的な毒性陸上植物】
オキナワキョウチクトウ、クワズイモ、ハゼノキなど
【 西表島の 代表的な毒性水中動物】
ハブクラゲ、カツオノエボシ、 オニダルマオコゼ、ウミヘビなど
西表島の毒性植物・動物リスクに対してガイドが実施する対策
ツアーで立ち入るフィールドに存在する可能性がある毒性植物・動物について事前にレクチャーします。毒性植物については現物を見ながら紹介します。
無料レンタル装備としてグローブ(手袋)を用意します。
ジャングルトレッキングでは、ガイドが常に周囲を注視して先頭を歩きます。
西表島の毒性植物・動物リスクに対してゲストの皆様に気をつけていただきたいこと
むやみに動植物に触れないようにしてください。「美しいものには毒がある」は、自然界の普遍の法則です。
手を危険動植物から保護するため、無料レンタル装備のグローブを着用してください。
トレッキングルートから外れないように注意してください。なるべくガイドが歩いた後を通ってください。
西表島ツアーでの転倒・滑落などでの怪我のリスク
ツアーでの転倒・滑落など怪我リスクの評価
滝や川の周辺の濡れた岩場は滑りやすく、転倒して怪我をするリスクがあります。また、雨の後のトレッキングルートは滑りやすく、滑落のリスクがあります。
ツアーでの転倒・滑落など怪我リスクに対してガイドが実施する対策
無料レンタル装備でフェルトソールシューズ(通称:沢靴)を用意します。アウトソールにフェルトが張ってあり、岩や苔で滑りにくい特別なシューズです。
岩場を歩く渓流トレッキングでは、無料レンタル装備でヘルメットを用意します。
特に滑りやすい場所では、口頭でゲストの皆様に説明します。
ツアーでの転倒・滑落など怪我リスクに対してゲストの皆様に気をつけていただきたいこと
必ず無料レンタル装備のフェルトソールシューズを着用してください。靴のサイズ(18~30cm)が合わない場合は事前にご相談ください。
ツアー中は、休憩時でもフェルトシューズを脱いだ状態で歩かないでください。
トレッキング中はゆっくり歩き、絶対に走らないでください。
西表島ツアーでの溺水のリスク
ツアーにおける溺水リスクの評価
カヌーが転覆した場合や、川や滝などで水遊びをしている場合に溺水するリスクがあります。
ツアーにおける溺水リスクに対してガイドが実施する対策
カヌー乗艇時や水遊びをする場合は、必ずライフジャケット(PFD)を装着するよう指示します。
ライフジャケット(PFD)の正しい装着方法をレクチャーします。また、ゲストの皆様が水遊びをしている時は、常に状況を監視します。
万一に備えて水難救助のトレーニングを受け、ガイド全員がOMSB水難救助員の有効資格を所持しています。また、レスキューロープを携帯しています。
ツアーにおける溺水リスクに対してゲストの皆様に気をつけていただきたいこと
カヌー乗艇時や水遊びをする場合は、必ずライフジャケット(PFD)を正しい方法で装着してください。
高校生未満の子供がいる場合、保護者は水辺では必ず常に一緒に行動してあげてください。「目を離さない」という注意レベルだと、どうしても別のことに気を取られて目が離れてしまう空白時間が発生します。
せっかくの貴重な親子の時間ですので、カメラを手放して子供と一緒に思いっきり遊びましょう。写真はガイドがたくさん撮りますよ。
西表島ツアーでのレプトスピラ症のリスク
西表島におけるレプトスピラ症リスクの評価
レプトスピラ症は、西表島をはじめとする八重山諸島・沖縄地方で発症が報告されている細菌感染症です。西表島では、ガイドを中心に例年10件前後の発症が報告されています。
レプトスピラ菌はネズミの腎臓に保菌され、尿から排出されます。その尿が川に混入し、人間の口や粘膜、傷口などから感染します。感染後、3~14日間程度の潜伏期を経て発症します。
症状は季節性インフルエンザに似ていて、発熱・悪寒・筋肉痛などが生じます。なお、人から人へ感染することはまずありません。
レプトスピラ症に効果があるワクチンはありませんが、治療薬および予防薬は開発されています。なお、予防薬の処方には医師の診断と血液検査が必要です。
西表島におけるレプトスピラ症リスクに対してガイドが実施する対策
ツアーに参加されるゲストの皆様にレプトスピラ症について説明します。
旅行から帰ってから発症する可能性があるため、レプトスピラ症に関するリーフレットをデジタル配布します。
西表島におけるレプトスピラ症リスクに対してゲストの皆様に気をつけていただきたいこと
レプトスピラ症の感染・発症を防ぐため、なるべく免疫力の高い状態でツアーに参加してください。疲労や栄養の偏った食事は、免疫力を低下させる可能性があります。
川や滝の水は絶対に飲まないでください。
切り傷や擦り傷などを負っている場合は、川や滝に入らないようにしてください。傷口から感染する事例が多く報告されています。
旅行が終わってから発熱・悪寒・頭痛などの症状がでた場合、直ちに最寄りの医療機関に受診してください。医師に「西表島で川に入ったこと、レプトスピラ症の疑いがあること」を伝えてください。沖縄県外の医師は、レプトスピラ症についての知見があまりない可能性があります。
参考:沖縄県 保健医療部 衛生環境研究所 「レプトスピラ症にご注意ください!」
竹富町観光案内人条例 について
2020年4月1日より「竹富町観光案内人条例」が施行されています。
ゲストの皆様には、西表島の豊かで貴重な自然資源を利用するにあたって、観光旅行者等としての責務、遵守事項等を十分に理解し、竹富町観光案内人条例、竹富町自然環境保護条例及びその他の関係法令並びに自主ルール等を遵守し、観光案内人(PUMEHANA Adventuresのガイド)の指示に従って、責任ある行動をとることに同意していただきす。